1000

これは15年以上前珊瑚模型から発売されていたバラキットを組んだものです。まず基本的なプロポーションですが、キットの図面と金田さんの図面を重ねてみると、キットではサイドタンクが前後に大きくなっており、キャブ全体が小さくなっていることとその割にボイラーが太いことが判明しました。私は特に16番ではスケール通りが良いと主張するつもりは毛頭ありませんが、これが設計者のディフォルメだとしても成功しているとは思えず、全体のイメージでは1000の小さくて華奢な印象が出ずに、もう少し大きめのボールドウィンのタンクロコ(3300あたり)を全体に縮小したような(1/87?)感じになってしまっています。しかし根本的にプロポーションの修正をしようとすると泥沼化しそうなので、今回はキャブの嵩上げをして何とか全体のシルエットを誤魔化してお茶を濁すことにしました。
なおこのキットは動輪固定式ですが、可動式に改造することにしました。これはタイミングよく、珊瑚から11.5ミリ動輪の改良新製品が発売されましたので利用しました。これは車軸が細く(2.4mm)て、小さい軸箱(4mm角)がついているので、細くて小さなフレームでもなんとか持ちそうです。また都合良く原型では動輪押さえ板が落し込み式?になっているので、下当て式?に変更することにより比較的容易に加工できました。

サイドロッドは、関節部を二枚に下ろして可動化対応としました。ギアボックスは珊瑚製11.5ミリ動輪用を使用し、モーターはスイス・ミニモーター社製10mm径16mm長のコアレスを使用しました。ブレーキシューはKNさんから特製のロストパーツを頒けていただいたものを取付け、キャブ下のブレーキ関連は、エコ−のパーツを利用してディテールアップしました。またこのキットスライドバーには、繊細な洋白製のパーツが入っていますが、組立中に片方を折ってしまいました。仕方がないので作り直しましたが、到底同じ物はできないことと洋白板の折り曲げた細いパーツは非常に折れやすいので、洋白線から削りだしたスライドバーをシリンダーブロックに植え込むように改良しました。あとでみなさんから話を聞いてみるとこのパーツ制作中や完成後に折ってしまった人は私だけではなかったようです。やはりこれは強度を忘れて形態重視に走ってしまった設計ミスだと思います。
 しかしこのキットの設計で評価できるのは、従来のタンク機関車のように、キャブとサイドタンクを一体にしてつなぐ構造にはせず、別パーツとして床板に固定するようにして実物のようにキャブとサイドタンクの間の隙間?を表現したことでしょう。キャブとサイドタンクを塗り分ける場合にもこの構成は便利です。残念なことに珊瑚の最新作200では、また従来の構造に戻っておりました。また床板は上に0.2tの洋白板を貼って二重化し、サイドタンクの取付ネジは、1.4ミリ第頭の小さい一種ネジに交換し、取付穴も座ぐりをして目立たないようにしました。上回りではクリーニングホールをウィストのロスト製に交換し、前照灯はカルスケールのロスト製を削って小さくしたものを取り付けましたが、まだ少し大きいようです。ここには1.5Vのゴマ粒球が入るように加工して定電圧装置で点灯するようにしました。サウンドはアナログのPFM方式対応ですが、さすがに機関車本体にスピーカーは入らず、動輪のコンタクトとコンデンサーのみ取り付けています。まだ未塗装ですが、どんな色に塗ろうか迷っています。

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