ことは、小樽の鉄道記念館を訪問したことにはじまります。ご存じのとおりそこには館内中央にしずか号7100型蒸機が鎮座しています。実際しずか号に対面した第一印象は非常に小さい機関車だなということでした。私は、日本の蒸機を16番(1/80
16.5mm)で模型化してきましたが、この機関車はどう考えても16番の線路の上にはのらないような気がしました。カツミが、1/80
16.5mmではなく、1/70で模型化したのもうなずけました。というわけでこの機関車をはじめとした明治時代の北海道の鉄道を模型化するのなら、スケールとゲージが一致したファインスケールで模型化するしかないと思いました。Sn3-1/2(1/64
16.5mm)にするか, HOJ(1/87 12mm)を採用するかかなり迷ったのですが、後者はPIMから流山のBタンク(最初は北海道にいました)が発売されているし、昔中村からアーリーアメリカンのモーガルが発売されていたのでナントカ中古市場で入手できるだろうと考え、HOJに決めたのでした。ところが、この製品、中古店の店頭で何度か見かけた記憶はあったものの、その気になって探し始めるとなかなか見つかりません。16.5mmバージョン、特に弁慶スタイルとして発売された品は見かけても、10.5mmバージョンはなかなか見つかりませんでした。10.5mmにこだわったのは、フレームをそのまま使いたかったのと、両者の間では車輪の厚さが違うので、16.5mmバージョンでは動輪が流用できない(もちろん車軸は新製が必要)と思ったからです。そうこうしているうち、インターネットでチェックしていると、米国デンバーのカブースホビーの中古ブラスリストに載っているのを発見しました。同店から航空便で送ってもらいやっと入手できました。送られてきたものは、おそらくコレクターのところで眠っていたものらしく、車輪の汚れもほとんどなく状態のよいものでした。
だた製品の動力機構は、テンダーモーターでしかもテンダーの両台車のみから集電しようという、無謀な設計だったのと、ユニバーサルジョイントが紛失されていたので、小型モーターに換装し通常のロコドライブに戻して、テンダーにはスピーカーを搭載することにしました。最初モーターは、スイス・ミニモーター社の10ミリ径16ミリ長のコアレスモーターを載せました。これならほとんどフレームを削らなくて済んだからです。ギアボックスはアイドラー入りを自作して、一応好調に走っておりました。
HOJ (12mm)に改軌した中村製のHOn3(10.5mm)モーガルのドームを交換してみました。幸運なことにドームはインターネットオークションで、ぴったりの品(カツミの旧弁慶用?)を落札出来ました。ドームを交換するだけでかなりイメージが変わります。かなりポーターらしくなったのではないかと思っています。上が製品のまま、下が交換後です。あと前照灯を大きな箱形の油灯に交換予定です。
ところが、2001年の関西合運に持参してHOJCのレイアウトで走らせていたところ、そこでDCCサウンドを見てしまったのです。特にベルを鳴らして走るD51のそのベルの音色にはまいってしまいました。ちょうどその時期、サウンドトラックス社から小型のDCCサウンドデコーダーが発売されたことや、別の運転会で珊瑚のダックス(HOn2-1/2)に搭載された作品をみせつけられて、自分もやってみようかということになりました。
ところが、なんとかスピーカーを加工して、デコーダーが小さなテンダーに収まるようにしたところまではよかったのですが、実際配線をして試運転をしてみるとコアレスモーターが唸るばかりで、動いてくれません。いろいろ聞いてみるとこのサウンドデコーダーとコアレスモーターは相性が悪いらしく、パルスの出力を最低にしてもダメでした。ここで嫌気がさしてしばらく放置してしまいました。
しばらくしてまた触ってみようかと思い引張り出してきました。解決策としては、コアレス対策済みの小型デコーダーを機関車にも搭載するか、コアレスを下ろして従来型のモーターに載せ替えるかの選択になりましたが、後者を選びました。このロコを入手した時点は発売されていなかった、良質の小型モーターがマシマから発売になっており、フレームを削ればこれが載りそうだったからです。モーターブラケットのみ作り替え、ギアーボックスなどはそのまま使用できました。
上回りでは油燈はロストパーツに交換して点灯するようにしましたが、煙突とコンプレッサーは交換せずそのままにしておこうかと思っています。