PFM方式のサウンドシステム
PFM方式のサウンドシステムとは、アメリカのインポーターである Pacific Fast Mail社により開発されたアナログ方式の鉄道模型用サウンドシステムです。その後天賞堂から、日本型用に簡略化されたSL-1が発売されましたが、現在は製造終了となっています。現在はこの方式のPFM社のパテントが切れているらしく、アメリカでは数社からこの方式のサウンドシステムが発売されています。
このシステムでは図1に示すように、レールには走行用電流(赤)と音声信号電流(青)、サウンドコンタクト検出用信号電流(オレンジ)の三つの電流が同時に流されています。サウンドコンタクト検出用信号電流は、動輪につけたコンタクトにより、直列につないだコンデンサーを通じて流れます。これをサウンドシステム本体の信号回路が検出し、ブラスト音を出すタイミング信号をサウンドジェネレーターに送ります。こうして単に走行電圧に比例してブラスト音を鳴らすのではなく、動輪の回転と完全に同期したブラスト音を鳴らすのです。完全にサウンジェネレーターは、シンセサイザーによりつくりだしたブラスト音や汽笛などをスピーカーに流します。スピーカには直列にチョークコイルとコンデンサーが継がれており、走行用電流やサウンドコンタクト検出用信号電流は流れず、音声電流のみが流れます。
このシステムの最大の利点は、スピーカーとサウンドコンタクトは並列に継げばよいということです。というわけでスピーカーを積むスペースのないような小型機関車にはサウンドコンタクトのみを装備し、客貨車にスピーカーを搭載することができます。