動輪の位相あわせのヒント

蒸気機関車などのクランクピン付き動輪の位相あわせは、難しい工作のひとつとされてきましたが、ヤゲン台を用いて比較的簡単におこなうことが出来ましたのでご披露します。なおこのフランジ外径を基準にしたアイデアは、須之内さんの動輪位相合わせ機にヒントを得たものですので、予めお断りしておきます。

ヤゲン台とはパイプや丸棒などを加工するときに使うVブロックのことで、各種の大きさが市販されています。工具店で取り扱っています。


動輪には、左の写真に示すようなジグを取り付けます。

ジグは底面からd/2 (d=動輪のフランジ外径 動輪直径ではありません)の位置にクランクピン用の孔を開けます。孔は出来るだけガタがない方がいいので、クランクピンと同径のドリルで開けて、ガタがなくピンが通るように、リーマー、ブローチ、極細目の丸ヤスリで孔を仕上げます。またこのジグは厚板でなくても、0.4〜0.6ミリ厚程度の真鍮板で十分です。

ジグをつけた動輪をヤゲン台の上において、位相を合わせます。

下の図を見ていただければ、どういうことかおわかりいただけると思います。位置が決まったところで手で押し込んで、最後にボール盤か旋盤で最後の一押しの圧入をします。



私は旋盤で三爪チャックとドリルチャックに押し込みようのアダプターをつけて、圧入しています。
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